学びのコラム
思春期は大人になる入口です

この時期は、身体も心も大人ではないが全く子どもでもない状態(思春期初期)から始まり、次いで大人と子どもが入り交じりせめぎ合う状態(思春期中期)、そして最後には身体も心も大人であることを確かなものとしていく状態(思春期後期)の3つの段階に分けられます。
身体も心も大人ではないけれど、全くの子どもでもない
思春期とは、身体の成長に心の成長が追いつかず、だれもが不安定な気分になりやすい時期です。「私は何なのか」「私はどう生きたらいいのか」などと自分に直面し、自分を見る「もうひとりの自分」が意識されるようになります。小さなことで有頂天になったり、逆にひどく傷ついて落ち込んでしまったりします。異性への興味が高まったり、親や先生がうっとうしく感じたりするようになり、自分だけの秘密をもち始めます。
こうした心の変化に対し、身体では、体型全体の大人化が著しく進みます。女性では月経が、男性では射精が始まります。
まず、「思春期」について親がしっかりと理解を深めましょう。
言うことを聞かないのは、子どもの自立が始まった証拠
思春期の始まりに、子どもが言うことを聞かなくなっても、いたずらに動揺したり抑えつけたリする必要はありません。それは子どもの自立や親離れが始まった証拠です。むやみな干渉やお説教はできるだけ控えて、子どもの力を信じながら、あたたかく見守りましょう。その際には、行動の結果にはきちんと責任が伴うことを自覚させることも大切です。
思春期は、友達の影響を受けやすい
思春期は仲間や友達の存在が、家族以上に重要になる時期でもあります。
家族よりも、友達同士のルールの方が大切になり、ときには親にうそをついてでも、友達同士のつながりを守ろうとすることもあります。それだけに友達からの影響は大きく、「いじめ」も問題になりやすいのです。
心配だからといって、子どもの行動を監視したり、根ほり葉ほり話を聞きだそうとしたりする必要はあリませんが、ふだんからの会話を通じて、子どもと友達の関係を理解するよう心がけましょう。
文部科学省「家庭教育手帳」より