学びのコラム

自分ってどんな存在?自分探しの旅にでかけよう

動くことで自分を知ろう

この時期の自分は、未完成の生身の人間であるということを自分自身が理解しておくことが今後のより良い成長につながります。身体つきは大人とほとんどかわりませんが、心は未完成です。一言でいえば「自分探し」の時期です。自分はどんな人間なのか、どんな性格なのか、何をやりたいのか、どんな職業につきたいのか、そして、自分は一体誰なのか、悩む時期です。自分探しは、ただ自分のことを考える作業ではありません。この時期の自分探しは、とにかく“動いてみること"です。勉強や部活やバイトや恋や遊びや、様々なことを体験しながら、自分自身を見つけていくのです。

自分の道を見つけよう

自分を見つけることを自我同一性(アイデンティティ)を確立すると言います。アイデンティティの確立とは、長所も短所も含めて、自分は価値のある人間だという自尊感情を持つことです。別のことばで言えば、“いろいろな可能性を切り捨てること"でもあります。
夢をもつことは大切なことです。でも、小さな子どものように自分は何にでもなれると単純に信じることはできません。なりたい職業全部につくことはできません。自分の能力や現状を見極め、どれかをあきらめ、どれかを切り捨て、自分の道を選ぱなくてはなりません。
ただし、可能性を切り捨てるとは、ただ何となくあきらめることではありません。意思をもって断念し、自分の良さを1 番発揮することのできる道を選ぴ取る作業です。

少しでも早く一人前に!

また、良くも悪くも社会が豊かになったからこそ、青年期(または学生時代)が長くなり、人生の重大な決定をする前に、いろいろと考えたり、試したりすることができるようになりました。言い換えれば、アイデンティティの確立を先延ばしにすることが可能な時代になったということです。これを「心理的モラトリアム」といいます。モラトリアム自体は、悪いわけではないのですが、昔のモラトリアム人間たちは、一生懸命努力して、早く一人前になりたいと思っていました。ところが、現代のモラトリアム人間たちは、半人前だという意識なく、自由に夢を追い続ける自分の今の生き方の方が何よりもすばらしいと思う人が多いようです。だから、早く一人前になって社会にでようとは思わず、できるならずっと学生でいたいと考えるのです。社会に貢献できる時期をすでにむかえているという自覚をもち、“少しでも早く一人前に"という意識で過ごすことが大切です。

 


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個人差はもちろんありますが、誰にも必ず訪れる貴重なモラトリアム時代、青年期を、ただなんとなく過ごすのではなく、多くの体験をし、多くの人と出会い、多くの感動や苦しみを味わう中で、これからの自分探しのための有意義な時間にしてほしいものです。

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